社長の思いつ記 2016.1

 新年あけましておめでとうございます。旧年中は格別のご愛顧を賜り 誠にありがとうございました。


 本号では、メンバーから新年の抱負などを伝えるコーナーも用意されていますが、これまでお客様には言わないできた社内での宣言について伝えたいと思います。宣言は2014年の新年、「お客様にご安心して仕事をお任せ頂くにはどうすれば良いか」を社内に問いかけ、その答えとして、“どこに頼むより安心=お客様のお役立ち日本一企業になる”ことを誓いました。宣言してから3年目の今年、「まだまだ」のお声を頂くことは承知の上で、皆様からの声に敏感で、新たに学び、良き変化を加速するよう心を新たにしています。


 そのためにも、今年のテーマは“挑戦”です。昨年末に会社の歴史を振り返る機会があり、昔の写真や企画書などを引っ張り出しました。それを見た社員さんの口から飛び出した言葉は、「昔のほうが挑戦してますね、勝負してますね。」 この言葉に私はハッとします。私の取り組みは、新しくはあっても挑戦とは無縁の、安全圏から外の世界に釣り糸をたれる様なものと思えたからです。写真の一つには、昭和40年代後半に始めた日曜大工センターがありました。これはアメリカで始まったDIY(現在のホームセンター)の流れが、いずれ日本に来ると予感してスタートしたと聞かされていましたが、伊那谷にはホームセンターなどない時代のことでしたから驚きの決断です。また、工業製品として外装サイディングのない時期に、壁材に予め外装塗料を工場内塗装して、建築現場では張上げるだけの乾式工法を提案したことも、先見性ある当社だけの取り組みでした。凍らないアスファルトの販売や25年も前に色彩設計やカラーシミュレーションをサービスメニューに加えたことなど、創業から挑戦続きだったことは間違いがありません。限られた資金の中で行うことですから、多くの挑戦は中止や異なる事業への転換、他社への売却など、全てがわが社の現在の事業に留まってはいませんが、「昔のほうが挑戦してますね」の言葉に異論や反論をはさむ余地など全くないのです。


 私は会社で「欲しい結果のために原因を作ろう」「お客様づくりやお役立ちの発揮の結果として幸せになろう」と話しますが、欲しい結果そのものにブレーキを踏んでいたのはきっと私です。事業を引き継いでから大きな挑戦としての記録も記憶も薄いことは恥ずかしい証です。
仕事のやりがいや幸せに必要なのは、何でもあることでなく、あるものが限られていて、おのずと挑戦が必要なこと、あるものに有難味を感じられること。その先に、お客様の喜びに満ちた未来に向かって扉が開いていること。欲しい未来に挑戦し続けることはきっと幸せそのものです。ルソーの『エミール』には次の言葉があるそうです。「もっとも多く生きたひととは、もっとも長生きをしたひとではなく、生をもっとも多く感じたひとである」苦しいという感情もまた「生を感じること」であり、未来に開かれる「多少の抵抗感」のひとつ。


 先代や先輩の築いた“挑戦の幸せ”はその土台に立つ私たち世代が受け継ぐべき大切なこと。「お役立ち日本一企業になる」の大きな挑戦に向かって、私は社員さんから不足を咎められることにもう躊躇はしません。お役立ち日本一のための原因づくりが挑戦に溢れたものであればあるほど明るく元気で情熱を燃やすプラスデコへ、しっかりと旗を降ってまいります。
 

皆様の2016年が多くの夢の実現と、ご健康でかけがえのない年となりますことを心よりお祈りしています。

(プラスデコ代表:原田 学)