私のイチオシ、紹介します! 2017.3

 

                     『 七転び一起き 』

                                            

 

                    角川学芸出版  /  宮川一(著)

 

 著者の宮川一さんは15歳で渥美清の付き人、会社経営失敗、自殺未遂2回、自己破綻、田舎で隠遁生活と人生の苦悩満載。170ページ足らずの本に凝縮された皆川さんの半生は、次から次と新しい展開を見せて進んでいきます。波乱万丈すぎる内容は、教訓を得ながら読み進める余裕もないほど。読み終えて、もう一度「はじめに」を読んでみると、皆川さんの伝えたいことはただひとつ、「自殺しないでほしい」ということだと書いてありました。日本人の自殺率は高く、特に経済的理由で死を選ぶ中年男性が多いといいます。

 全てを抱え込んで自殺未遂まで至ってしまった皆川さんが訴えたいのは、自殺しても何の解決にもならない、ということです。

 皆川さんのように、もう一度人生をやりなおそうとした人の体験を知っていれば、つらい立場にたたされたとき、自分を追い込まなんで済みます。ちょっとした仕事のノウハウを伝授するビジネス本や自己啓発本が吹き飛んでしまうような、強烈なインパクトのある本です。
 
                                      (関)