社長の思いつ記
ソチオリンピック 他国との輪
皆様、こんにちは。この冬は雪が少ないからお陰だね~なんて2月初旬の隣組の新年会で話したのも束の間、二週続きの大雪に見舞われた当地では、出勤のための車が出せなかったり(私です(+^ー^+)ゝ)、定時にいくつかの支店が開店できない、滑って転倒し大怪我 など、はじめて経験する異常事態が続出しました。皆様はいかがお過ごしですか? 怪我や体調不良でご苦労されていなければ良いのですが…
さて、そんな最中、開催されましたね、ソチオリンピック。さすがに深夜のライブ観戦とはいきませんが、スポーツ番組やニュース報道に感じる場面が少なくありません。そして、いつものオリンピックと少し違った心情で私は競技を観戦しています。それは、開会式でのIOCバッハ会長のスピーチが素晴らしかったから。
アスリートに向けては、出身国や性別に関わらず、全てのアスリートに、普遍のオリンピックのルールが適用されること。オリンピック村で共に滞在し、互いに勝利を気高く祝い、敗北を気高く受け入れて、オリンピックの価値観を体現するであろうこと。そうすれば、どこで行われても、オリンピックは平和な社会のお手本となることを示してくれました。ついメダルの色や数に興味が向いてしまいますが、最高のライバルと究める 彼らの最高の競い合いは、勝ちも負けも存分に味わう。そんな観戦者の気高さで応えたいの思い湧くバッハ会長のメッセージでした。
政治家に向けてはこう述べています。オリンピックスポーツは人々を結びつけるものであり、競争相手に敬意を払うことで、更に素晴らしい勝利を目指すことが出来ること。オリンピックは、人々を分断する壁を作るのが目的ではなく、人々の多様性と絆を受け入れるスポーツの祭典だということ。アスリートは各国の最高の選手たちで、敬意、寛容、卓越、平和というオリンピックメッセージを発しているのですから、意見の違いがある場合には、選手の後ろに隠れるのではなく、平和な直接的な政治対話によって解決する勇気を持ってください、と。その通りです。最近は“国益”の名の下に、自国の損か得かでの自論や態度を容認する風潮にありますが、もう少し大きな視野と他国への敬意、何よりお互いの共通の目的たる平和に向けたアプローチこそがグローバル化が進む世界の、今日的政治の役割のはずです。
クロスカントリー男子スプリント競技では感動的なシーンが生まれました。ロシア代表のアントン・ガファロフ選手がレース中に転倒してスキー板を破損。何とかレースを続行しようとしますが、再度の転倒で板は完全な使用不能に。このまま棄権かと思われた時に、ライバルのカナダチームのコーチが新しいスキー板を持って駆けつけたのです。コーチは板を交換し、ガファロフ選手は競技を再開、無事ゴールしました。このコーチは、レース後、「見ていることができなかった。ロシア代表のガファロフ選手に母国で恥をかかせたくない一心だった」と語っています。
実はこのコーチの妻は元トリノ五輪 スキー距離女子団体スプリントのメンバーで、メダルのかかった決勝戦でストックが折れるアクシデントが発生。もはやメダルは絶望的と思われたそのとき、なんと決勝戦に出ているノルウェーのコーチがコースに飛び出て、カナダチームに新しいストックを渡します。ストックが折れていた時にカナダは4位まで後退しており、自国ノルウェーはカナダより上位のメダル圏内。このまま放っておけば強いカナダは順位を落とし、自国のメダル獲得は確実!という状況下でストックは手渡されたのです。その結果、カナダチームは順位を上げ、銀メダルを獲得。自国ノルウェーは4位となりメダルを逃すことになりました。
最高の勝負はベストの相手によってしか極まらないことも事実。五輪マークの示す「他国との輪」という本当の意味が採点に加わるのだと思って観るソチオリンピックは、観戦者の私を少しだけ気高くし、スポーツをより楽しめるスイッチを入れてくれたように思います。
プラスデコ代表 原田 学
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