私のイチオシ、紹介します! 『愛の領分』

『愛の領分』 藤田宜永(著)  出版社:文春文庫  

愛の領分 

東京に住む仕立屋の淳蔵。28年ぶりに同郷の親友高瀬が突然現れスーツを依頼しながら「妻の体調が悪い。上田の自宅に会いに来てくれ。」と言う。高瀬の妻美保子は淳蔵が若い時に愛した人だった。35年ぶりの故郷では痩せた美保子が再会を喜ぶ。が、そこで高瀬の娘に絵を教える佳世と出会うことになる…。

この作品は、2001年直木賞受賞作です。舞台は東京と長野県上田市。中年男女の大人の恋愛小説です。男女の過去や因果などを小説ならではの「ドロッ」とを効かせた作品となっています。著者の藤田宜永氏は、今年1月30日に佐久市で永眠されました。このタイミングにこの一冊いかがでしょうか。かなり濃いです。

プレゼンター プラスデコ 堀内