社長の思いつ記 2018.3

  皆さんこんにちは。これを書いている今日は平昌オリンピックの閉幕日。日本勢の健闘に興奮と感動を覚えた方も多かったのではないでしょうか。開幕前にはチケットの売れ残りや北朝鮮の政治利用を懸念するニュースなどもあり、私にとってはほぼ興味薄な始まりでした。でもスポーツってやっぱりすごい!トップアスリートの姿は無条件に涙と感動を与えてくれました。オリンピックは4年に一度ということもあり、選手の人生ストーリーが紹介されることが少なくありません。そして、ほとんどの栄光の陰には逆境や挫折があります。
 フィギュアスケートの羽生結弦選手は昨年11月に練習中のジャンプで着氷に失敗、右足首に大怪我を負いました。この間の空白を許すほど世界は甘くないと思っていましたが見事に金メダルを獲得。会見では「あのまま順風満帆だったら、金メダルをとれていない。これは間違えなく言える」とコメント。怪我という壁が、羽生選手のバネになっていました。
 スピードスケート1500mで銀、パシュートで金メダルを獲得した高木美帆選手はバンクーバー五輪に史上最年少の15歳で出場したものの1000mは最下位、前大会のソチ五輪では代表から落選の挫折を経験しています。スピードスケート500mで金メダルの小平奈緒選手は、ソチ五輪でメダルを逃して涙を流しました。二ヵ月後、彼女はオランダに単身留学し、フォームを抜本的に見直してついに覚醒。昨年4月の雑誌のインタビューではこう語っています。「与えられるモノは有限、求めるモノは無限」。決してあきらめず、上を求め続ける気概はまさに究道者の域にあります!
 「逆境は神の恩寵的試練(森 信三)」という言葉があります。普通に考えれば、辛いことや苦しいこと、不運なことは無いほうがいいに決まっている。しかし、スキージャンプでは追い風より向かい風の方が高く長く飛べるといいます。逆境あってこその飛躍。これはアスリートに限らず、人生の真実をとらえているのでしょう。
 2016年にベストセラーとなった『GRITやり抜く力』には、どんな世界でも、目標の達成には「やり抜く力=最後まであきらめない気骨」の重要性が説かされいます。あきらめない態度は自己満足とは正反対とも。なるべく変わりたくない、傷つきたくない、今のままでも十分幸せという現在の自己満足で、今すればいい努力をサボろうとすることを大いに戒めています。
 人は、たとえ同じ能力でも努力より才能を過大に評価して、「あの人は才能があるから、天才だから」と自分との違いを主張しがち。哲学者ニーチェは「天才とは神かかった存在だと思えば引け目を感じる必要がない。しかし偉業を達成した人のことは職人と考えるべきだ」と語っています。いいですね~。“職人”という言葉には、長年に渡ってその職に情熱を傾け、終わりなく究めようと努力して行き着く印象がセットされています。
 今回のオリンピックを見て感動した私の責任。それは未来のオリンピック選手を夢見る子供のように、アスリートの職人的努力に大いに触発されて、仕事に生きる職人として業界一を目標に決してあきらめないこと。せっかくもらった選手からの感動を勇気に代えること。そのために必要な知力や技術、心理的強さを私は磨く。インタビューを受ける機会をイメージして私はこう言おう。「多くの失敗や挫折がなかったら今回の栄誉はありませんでした。でも皆を信じ、あきらめなくて良かった。多くの協力や支援、協働にココロから感謝します」
                                                                                                                         (プラスデコ代表:原田 学)