社長の思いつ記 2016.3

 皆様こんにちは。寒中期のはずの2月も比較的穏やかな日が多いように思っていましたが、ここにきてインフルエンザの猛威をあちこちで耳にします。この雑文を纏めている時点で、私はもう花粉症に苦しみはじめましたが、皆様にお変わりはないでしょうか。明るい春の訪れを楽しめる3月となれば嬉しいです。

 さて「組織は人なり」と言いますが、会社がダメになるのも良くなるのもトップからと言われます。研修について言えば、社員さんを研修に送り出すことはあっても、自らがガチな受講者として参加する研修は最近ありませんでした。だからと言うわけではないですが、2月から半年間、実践をテーマとする経営道場に幹部社員さんと出席することにしました。編成されたグループで社長は私一人。他は各社の期待を背負って派遣された幹部メンバーです。このシチュエーションはちょっとプレッシャー。若気の至りで失敗OKな昔に帰りたいなぁとのつぶやきが本音です。

 とか言いつつも、早速失敗はしちゃうんです。グループで各自に配られた情報カードを頼りに課題の解答を求めるワークがありましたが、ここでミスリードを連発。課題を解決するには、はじめに全ての情報を共有することが必要なはずなのに、解答に直結すると思われる情報を出してもらおうと私が仕切ったことで、情報は断片的、ヒントになるはずの一見無関係な情報を見落としてしまいます。これって社長病ですね、仕切りたがり病。普段、社員さんに求める仕事の基本と、私のそれは明らかに違っているのです。シンプルに効果性を追うロジックとは対極にある癖と病によるリード。ワークの最中には、一人ひとりの断片的な情報を整理しようと自らのノートに記録をするメンバーもいましたが、その情報を代表して整理していたのも私でした。本来であれば、皆で共有する情報は分かり易く見える化しながら進めば、もっと全員の知恵を活かせました。普段は「誰でもが分かり易く、見える化せよ」とか言ってる私の実践時の実力や?

でも、これがよい。褒められるために受講しているわけじゃない、学ぶためだからと開き直っています。また、2月には社員さんが1年を通じて受講した研修の成果発表会に立ち会いました。当社の発表に「こう発表すれば魅力的になるのに」と思いつつ、他社受講者の「いい発表だなぁ」と感じる内容と違いに「ハッ」とします。それは他社にあって当社にない、現場をしっかり巻き込んだ実践での活用。研修に出して満足しちゃった私と、研修での学びを会社ぐるみで活かそうとした組織の違い。上から目線で発表内容をとやかく言う(これってやっぱり社長病!)資格もないしなぁと、これまた反省の一場面でした。

 「学ぶとは変わること」。私が社内の教育場面で必ず言うことですが、皆の「変わる」に私はエネルギーをかけねばいけなかった。研修で学んだことを新たな取り組みとして実践してもらうこと、挑戦してもらうことを求める。怖気づいたり、迷ったり、辛そうに見えても背中を押す。失敗を予測しても腕試ししてもらう。その姿にこそ褒めてあげられる機会が多くある。

  「叱るよりも褒めることを増やしたほうが効果があると思っていたし、自らも褒められて育つタイプ」と言っていた他社女性リーダーの発表に、「叱ることに勇気や決心はいらない。叱ることは愛情であると学んだ。相手の成長を心から願って叱るべきは叱り、できたときこそしっかりと褒めてあげたい。」

 私よりも20才は若いだろうリーダーのキラキラと輝く発表を聴いて、私は自分に言い聞かせます。「お前は大器晩成型だから、これからだよ。」子供の頃、私の扱いに困った母がよく言ってくれた言葉。学び続けることに前向きで、自ら巻き込まれ上手なトップへ、これからだ。社員さんの隠れた才能や磨くべき能力との出会いをモチベーションにして、徹底的に学ぶことをスタートします。

(プラスデコ代表:原田 学)