社長の思いつ記 2017.5

 

皆様こんにちは。今年のGWは暦の並びのお陰で、カレンダー通りでも5連休!という方が多かったのではないでしょうか?もっとも、サービス業に従事する皆様にとっては、かきいれどきの多忙なGWですね。
どちら様もお疲れ様でした。

 私は4月末に中国出張もあり、いろいろと感じることの多いGWを過ごしました。当社の中国ビジネスは中国経済特区に進出する地元企業様向けに香港からスタートしましたが、今や内容は様変わり。経済特区の優遇は廃止されて多くのお客様の中国生産は縮小、より賃金の安いベトナムやフィリピン、メコン川流域の開発途上国への生産移転も進んでいます。訪問したお客様との面談では、そのほとんどで日本人赴任者の激減や次世代モデルに乗り遅れた危機感、市場そのものの消滅などショッキング話題が少なくありませんでした。
 日本のビジネス環境は停滞感先行で変化を感じにくいですが、香港法人を親会社にして5年前に新設した中国法人は化学危険品商社という理由から今回3度目の事務所移転を強いられました。変化ありすぎ!事務所に危険物を置くわけじゃないので利不尽に思いますが、理屈に合わないと文句を言うより、どの地区であれば当分規制は受けないか、今後どのくらいの家賃上昇で納まりそうか等、これまでの経験から異なる頭の使い方をするからよくしたものです。お客様の製造現場は郊外に立地しているので、この移転は今まで以上に機能的な変化を受け止めることもできます。
 困るのはたまに訪問する私のような出張者で、タクシーをすぐに拾えないとか会社の近くに英語の通じるビジネスホテルを探しきれていないことぐらい。以前なら中国会話本を携行して会話文の指差しで意思を伝えていましたが、最近困ったことのなかった私にはその準備がなかった。でも今どきですね。ホテルスタッフはスマホの翻訳機能を使って何とか会計を済ませてくれました。慣れていたり、できる人が側にいれば何でもないことですが、それでは未来に先回りする力は自ずと弱まってしまいます。だからこそチャレンジャーであるべし。「未来がどうなるか」の仮説を立てたり、想像力を働かせて準備を怠らない分、変化のチャンスは広がります。また、変化に適応しようとするから足りない部分は練習もするし、準備も万端になると考えると、理不尽な移転要請や移転先の多少の不便さはチャレンジ精神を忘れないですむ好環境とも言えます。
 そんな新興の開発区で、もう自転車シェアリングのサービスがあるのにはびっくりしました。スマホのアプリで車体の2次元コードをスキャンして鍵を外し使用開始、目的地に着いて鍵をかけると自動的に決済される人気のサービス。中国といえば大勢が古い自転車で行き来するシーンを思い浮かべますが、その姿はここにはありません。彩り豊かなマウンテンバイクで颯爽と移動する姿が今の中国の確かな姿です。(①Nの仕事便り)
 伊那谷でこのようなサービスを想像してみましたが、正直...できない!中国では日本にない未来が当たり前に展開中の現実。共産党独裁の中国では規制が厳しいと思われがちですが、「実はインターネット関連やシェアリングなど新分野では規制は少ないため、驚くほど自由度が高い」と言います。
 「前例がない」ことを問題視するのは安定した日本社会のジレンマでしょうが、新しいことで世界の先陣を切って実行する中国のプラス面の真実はしっかりと受け止めたい。わが社で言えば、脱前例・変化歓迎を差異化のポイントとして社員さんの仮設力や創造力を解き放ちたい!そんな思い募る私のGWでした。