私のイチオシ、紹介します! 『ひとりぼっちじゃない』

『ひとりぼっちじゃない』 伊藤ちひろ(著)  出版社:角川文庫

ひとりぼっちじゃない

数々の名作を手掛ける脚本家が、10年の歳月をかけた初の小説。歯科医師ススメの日記を通して、彼の日常と思いの変化を辿った物語です。自意識過剰で周りを気にするあまり複雑に考えすぎ、真意が伝えられず自己嫌悪となる日々。前向きに生きるための日記が、毒を吐くためのものと化している。

そんなススメを私はもどかしくも、似た部分を重ね愛おしく感じていました。思考の癖は簡単に変えられない、誰しも大なり小なり共感できる部分があるのではと思います。
「僕を知ってほしい」と願うススメは、優しく接してくれる宮子に恋をします。しかし、彼女は普通じゃない。普通とは?ハッピーエンドになるのか?著者は読み手により解釈が違うと言っています。皆さんはどう感じるのでしょうか。

同作は、著者が脚本&初監督で映画化され、今年3月10日に公開されます。主演は、伊那市出身の井口理さん(King Gnu)。当て書きされたススメは、かなりのハマり役だと思います。ふたりの恋愛!?が物語がどう映像化されているのか、映画も是非、ご覧いただきたいです。

プレゼンター 赤須 恵美子