私のイチオシ、紹介します!『カモンカモン』

『カモンカモン』(2021年)   監督:マイク・ミルズ   



独身ラジオジャーナリストのジョニーが、妹の頼みで9歳の甥っ子ジェシーの面倒を数日間見ることになる、心温まるヒューマンドラマです。

私がこの作品を知ったきっかけは、主演のホアキン・フェニックスでした。ホアキンといえば、2019年公開の映画『ジョーカー』での怪演でアカデミー賞主演男優賞を受賞した姿が記憶に新しいですが、実は名優リヴァー・フェニックスの弟でもあります。

今作は全編モノクロ映像で撮影されており、昨今の作品ではなかなか見かけないスタイルですが、モノクロだからこその圧倒的な映像美にぐっと引き込まれました。ストーリーの序盤はお互いにぎこちなさがあるものの、次第にそれぞれの悩みに寄り添い、少しずつ二人の間に特別な「絆」が生まれていく過程こそが、この作品の大きなテーマだと感じます。私が一番好きだったのは、ジェシーがジョニーの仕事道具の録音マイクを使って、街の生活音や自分の声を録音する場面です。ジェシーの本来の子供らしさが溢れていて、とても愛おしく感じました。

私は当時、この作品を映画館に観に行きましたが、大スクリーンと音響だからこそより鮮明に伝わってくる「音楽」や「生活音」が非常に特徴的です。ぜひ、目と耳を研ぎ澄ませながら、この美しい世界観を楽しんでみてください。

プレゼンター 清水 舞帆