やるべきこと

皆さん、こんにちは。これを書いている今日は冬季ミラノ五輪の最中ですが、新聞によると同国のスキー場の約9割は人工雪に依存しているのだそうです。温暖化の影響で冬季五輪を開催できる地域もどんどん減っていて、この厳しい現実を肌で感じるアスリートが環境保全活動を行っていることが紹介されていました。私たちを育んでくれた自然環境にポジティブに関わることが必要な時代に入ったと思わないわけにはいきません。

さて、経営者として当社に入社して30年が過ぎました。今になってみると、プライベートも仕事もどちらも私にとっては人生を豊かにするための課題だったと思います。私が課題と言うのは、無条件に楽しい思い出などとは別に、努力をすることで得ていくことが、自分の人生を描くとか、作ることだと思うからです。そんな課題の大きな一つで、私には作れていない、でも、これからの人には作ってほしいし、できる限りサポートしたいと思うことは社名通りの会社になることです。残念ながら今の社風や文化をして、胸を張ってNCCはナイス・コミュニケーション・カンパニー!とは言えないと思うのです。「それは私の仕事じゃない」「あの人はああいう人だから」「それはしょうがない」など、恥ずかしいですが社内にはそんな言葉のやりとりがあります。一方で、現場では、「仕事が属人化している」とか「会社の指示が明確でない」などの問題もよく指摘されます。

こうなってしまったのは社長の私の責任なので、何とか挽回しようと以前に読んだ本を参考にしながら、最近は社員さんに次のことを伝えています。下図を見てください。まず、仕事には、「やるべきこと」「やりたいこと」「やれること」の3種類があります。

仕事の7分類

この3つを大きな丸として描き、3方向から重ね合わせると、仕事は7つに分類できます。真ん中に3つが重なり合う「やるべきで、やりたくて、やれること」が“最高の仕事”であることはよく聞く話だと思いますが、筆者の目は、「やるべきで、やれること」は“ラクな仕事”で要注意。実は、他と重なっていないグレー部分の「やるべきこと」が誰にとってもめんどうくさいことで“一人勝ちできる仕事”として光を当てています。確かに多くの人は「やりたいこと」や「やれること」しかやりたがらないので、「やるべきこと」なのに、「やりたいこと」や「やれること」と重ならない仕事からはいろんな言い訳をして逃げがちです。

私たちにとって慣れることはラクになることですが、仕事において慣れたまま同じことを繰り返すことはその人のキャリアにとっても、才能に目覚めるにも、可能性を拓くにも大きなマイナスです。中小企業では人材が限られることもあり、人を動かさない方が組織は安定するように思い、社長も安心していられます。しかし、結果的にそれが仕事を 属人化させてしまい、作業を標準化したり文書に残さないまま、会社もその人に頼りきりになってしまいます。本当に働き方の改革を進めようとしたら、お互いに仕事をバックアップし合う体制が必要です。難しいことですが、小さな組織こそ職種や階層、店舗の垣根を越えたローテーションが有効です。人よりもうまくできるようになったら次の才能を試すために異動する。いつまでも人よりもうまくならないなら他の才能を試すために異動する。そうでないと、何十年も変わらない仕事、変わり映えしない景色の中に社員さんを縛り付けてしまいます。

やるべきことは時代の変化や新規事業への挑戦などの中に生まれています。私はせっかく時間を使うなら、消費(ただ生活する)でなく投資になるように(成長するように)使いたいし、社員さんにもそうあってほしいと思っています。できるようになったら(ラクになったら)違う仕事へGO!

お互いの可能性を広げ、お互いの才能に気づく共同作業こそナイス・コミュニケーション。不可能に見えることを可能に、ダメな自分を素敵に変えていく会社がナイス・コミュニケーション・カンパニー。そうなれるかどうかはわからなくても、そんな希望を抱き、不完全な自分を認めて変わろうとしている人の集まりを目指してくれたら、私が時間を使ってきた甲斐はあると思います。

プラスデコ代表 原田 学