日本の川はあと30年でダメになる 野田知佑さん講演会

2006/09/11(月) お役立ち情報
日本のカヌーイストの草分け、野田知佑さんの講演会に行ってきました。3部構成で第1部は、野田さんとイラストレターの藤岡牧夫さんとコーディネーターの白鳥さんの楽しいお話。今は有名になりエッセイなど書いている野田さんですが、30年前は伊那で白鳥さんの家に居候してたそうです。(ビックリしたのは白鳥さんはデコの営業堀内の義兄なんですって!世間は狭い)30年前は川魚を盗み取りしたり、信州大学農学部の学食をタダ食いしたりと楽しい日々を送ったそうです。(写真は野田さんの文と藤岡さんのイラストの絵本『笹船のカヌー』の一部)

第2部は、伊那小学校6年智組の総合学習の発表と野田さんと子供たちの交流。小4から2年半カヌー作りをし美和湖で水温調査をしたり、土石流の調査や中田島砂丘が浸食されてアカウミガメの産卵地がなくなる事など、どの子も大きな声で発表し私の子供時代と全然違う姿に感心しました。野田さんからは、「カヌーに乗れるんだったら、もっと遊ばなきゃダメだ。川にもぐり、モリで魚を突き、魚を殺し、火をおこして焼いて食べる。おなかがすいたら、自分で食べるものを見つける。ナイフ禁止、火遊び禁止で何も出来ないなんて、湖で温度測ったっておもしろくない。もっと遊べ。」とアドバイスがありました。おわりに、子供たちに「来年一緒に千曲川を下ろう」というプレゼントがありました。良かったですね。

第3部は、野田さんが世界の川を下ったお話と日本の川の現状のお話。モンゴル、カナダ、アラスカ、インドネシア、オーストラリア、スコットランドなどの川を下っている写真を見ながらおもしろおかしいお話を聞きました。世界の川は護岸工事されてないのでとても美しく綺麗ですが、日本はだんだん水が汚れ、コンクリートで固められて川がダメになっているとのこと。長良川の河口堰建設をカヌー700台集結させ反対運動をしたが負けてしまい、シジミが全滅、サケは上ってこなくなった。長良川は死んでしまった。日本は自然を守ろうとすると、敵は国や行政。また、世界遺産に登録された北海道の知床半島ですが、今後道路が作られ観光客がたくさん訪れるようになると、自然が台無しになってしまう。見に行くなら今。世界遺産に登録され自然破壊が進んだいい例が屋久島。日本は世界遺産に登録されると自然がダメになる。なんて国でしょう!

長野県で言えば先週、千曲川で雑誌BE-PALの取材があったが、川が濁っていて写真にならなかったそうです。山の木を切り過ぎ土が流れ出ているから。また、四万十川でも魚がいなくなったそうです。5年前私も四万十川に行きましたが、清流のイメージはなく水が濁ってました。

最後に「これから30年で日本の川はダメになってしまう。国や行政の自然破壊工事反対運動に参加する時間がない人でも、500円でもいいからカンパすると、反対運動している人の励みになるから、協力して下さい。」と野田さん。皆さん協力して、自然を守り次世代に残しましょう。(赤須)

1ページ (全4ページ中)